地域に迫る2030年問題
こんにちは。モノづくり塾ZIKUUの塾長、椿です。
前回は「2030年問題」の大きな枠組みをお話ししました。
今回はもう少し身近なテーマとして、地域に迫る2030年問題 を考えてみましょう。
山梨の現状から見えるもの
山梨県は全国の中でも人口減少のスピードが早い地域です。
2000年に約90万人いた人口が、2020年には80万人を割り込み、さらに2030年には70万人台半ばにまで減ると予測されています。
特に上野原市のような山間部では、
- 空き家の増加
- 山林の管理放棄
- 商店や病院の減少
といった問題が、すでに現実のものとなっています。
空き家の増加と地域コミュニティ
上野原を歩いていると「人が住まなくなった家」が増えていることに気づきます。
空き家は単なる不動産の問題ではありません。
屋根や壁が傷み、景観を損ねるだけでなく、倒壊や防犯上のリスクも生じます。
そして何よりも、「地域から人の気配が消える」という寂しさがあります。
森林の課題
山梨は森林が豊富な県ですが、林業従事者の高齢化により手入れが行き届かない山が増えています。
山は手を入れないと荒れ、土砂災害や水資源の問題につながります。
地域に住む私たちの生活基盤そのものに影響を与えるのです。
働き手不足と暮らし
地元の商店や医療機関でも「担い手不足」が深刻です。
お店が閉じると日常の買い物が不便になり、病院が減ると高齢者の暮らしが直撃されます。
これは「東京の話」でも「ニュースの中の話」でもなく、今ここで起きていること なのです。
ZIKUUの視点
こうした課題に対して、モノづくり塾ZIKUUは「地域に根ざした新しい挑戦」を模索しています。
- 地元の木を活かして作品をつくる
- 空き家を再生して工房や学びの場に変える
- 若い世代がAIやデジタルを学び、地域で活かせるようにする
地域に迫る2030年問題は「危機」であると同時に、「新しい可能性を生み出す土壌」でもあると私たちは考えています。
次回予告
次回は「テクノロジーが開く可能性」をテーマに、AIやデジタル技術がどのように地域と未来を変えていけるのかを考えていきます。
「あなたの身の回りで、“このままでは続かない”と感じる風景や出来事はありますか?」