教育の手法や思想

自分が教育者だと大上段に構えるつもりはないのですが、たまたまモノづくり塾『ZIKUU』の近くにあるシュタイナー学園のことを時々考えることがあります。

以前、木製フレームの自転車の作り方を教えて欲しいとある高校生から連絡があって、2度工房で一緒に作業したことがあります。彼はこのシュタイナー学園の生徒でした。

シュタイナー学園の設立者であるルドルフ・シュタイナーさんはこんなことを言っています。

「科学や歴史を本当に学べば、こう言わざるを得ない。人は強くなるほど愚かになる。青い瞳のブロンド人種が死に絶えたら、人類は愚かになるであろう。ブロンド人種に依存せずに、知性に到達しなければならないからである。実際に知性を分け与えているのはブロンド人種である。よい人間が死んでしまえば、人間の本性からくる知恵も失われてゆく。」

教育者の言葉としては随分と過激ですよね。

こういう差別的な態度というのは驚くことではありません。

フランス革命時の人権宣言なども自由・平等・博愛という美しい概念は白人男性のものでした。

第二次対戦が終わってから、石油を強奪しにリビアに軍艦を送ったのがフランス。

アフリカ分割会議を開いてアフリカ大陸の区画を作ったのは西洋の白人でした。

あからさまな軍事侵略が難しいからと宣教師を日本に送り込み内乱を仕掛けたのも西洋の白人。

アフリカ、東南アジア、南アメリカで殺戮と収奪の限りを尽くしたのは白人です。

有色人種に対する優越感は凄まじい。

今でこそ多くの人が芸術やスポーツに親しんでいますが、それらは元々は有色人種の血と涙の上で贅沢な暮らしをしていた欧州貴族の暇つぶしでした。

シュタイナー教育は教育を芸術的に捉えているとも紹介されています。

日本のシュタイナー学園の教師たちは日本人ばかりですし、日本社会の中での活動なので、丸々西洋人の価値観や思想で教育が行われているとは思いませんし、日本的に調整されているものと思います。なので毛嫌いしたり一方的な批判をするつもりはありませんし、ご近所ということで良い関係を築ければ良いと思います。

どんなことにも良い点と悪い点がありますし、その尺度も変わっていきます。また自分が正しいという確固たる自信もありません。

モノづくりは暇つぶしではありません。暮らしに必要な物資供給とそれを生産するための技の習得が本質です。芸術とモノづくりを一緒くたにする傾向がありますが、目的が違えば意味も違いますので、モノづくりと芸術は一緒にはできません。

白人優越主義の西洋人にとってはシュタイナーさんの考え方は馴染むのかもしれませんが、それが果たして我々の幸せに寄与するかはわかりません。卒業生たちと交流してどんな人生を送っているのかを見ないと何とも言えません。

違うものを安易に混ぜるのは危険なので、よくよく考えて融合することを考えなければなりません。

少なくとも「ああ、違うんだな」という認識は必要に思います。

人々の考え方は様々ですし、様々である方が面白いですから、それぞれに手法や思想を高めて互いの邪魔はしない。そんな感じでやっていきたいと思います。

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