常々、思考力を高め方法を模索していますが、思考といってもいくつかありますね。
現実的思考・・・現状を客観的に捉えるて論理的な判断をする、理想と現実の間のバランスを取り実行可能な計画を立てる。
哲学的思考・・・批判的思考、物事の根源や心理を追求する、仮説を立てて検証する。
パラダイム的思考・・・枠にとらわれずに新しい視点を取り入れる、多角的な物の見方をする。
例えば、これらは「目標を設定し、実現に必要なステップを具体的に考え、行動に移す」、「なぜ?どうすれば?といった問いかけを投げかけ、物事を多角的に分析する」、「伝統的な考え方を覆し、全く新しい解決策を提案する」という形で実行されます。
モノづくりはこれらをバランス良く鍛えるのに有効だというのが私の持論です。学校の成績が良い悪いに関係なく、大事なのは思考力だと考えますし、最終的には人間力として結実すると思っています。
木工、金工、溶接、IT、CAD、電子工作、レザークラフト、音楽製作などを学べるモノづくり塾では、上記3つの思考力をモノづくりを通じて鍛えられるように工夫します。
1. 「機能美」追求:デザインと製作の融合
- 課題: 特定の用途を持つ実用的なアイテムを設計・製作する。
- 哲学的思考: そのアイテムが持つべき機能性とは何か?美しさとは何なのか? それぞれの要素にどのような意味合いがあるのか?という点を深く考える。
- パラダイム的思考: 既存の製品やデザインから脱却し、斬新でユニークなアイデアを生み出すことを目指す。
- 現実的思考: 設計したアイデアを実現するために必要な技術や材料を具体的に調査し、製作計画を立て、予算などを考慮しながら実行する。
2. 「アップサイクル」に挑戦:廃材を活用した創造
- 課題: 不用品や廃材を使って新たなアイテムを作り上げる。
- 哲学的思考: 資源の有効活用や廃棄物の問題意識について考える。モノを作る意義、循環型社会への貢献を考える。
- パラダイム的思考: 一見捨てられるものから価値を見出し、新たな機能を生み出す方法を模索する。限られた素材の中で創造性を発揮できるかどうかが試される。
- 現実的思考: 廃材の特徴を理解し、安全性や耐久性などを考慮しながら製作を行う。
3. 「スマート」モノづくり:IT技術と融合させた製品開発
- 課題: CAD、3Dプリンター、電子回路、センサー、プログラムなどを使って、今までにない機能を持つ新しいアイテムを作る。
- 哲学的思考: テクノロジーの進歩が社会に与える影響について考える。 どんな技術が人の生活を豊かにできるのか?倫理的な問題点も考慮する。
- パラダイム的思考: IT技術を活用することで、モノづくりにどのような可能性が生まれるのか?従来の概念を超えた新しい製品を生み出すアイデアを探る。
- 現実的思考: 電子工作に必要な知識を習得し、設計図作成、部品選定、プログラミングなど、具体的な製作計画を立て実行する。