RASPBERRY NOAA v2のインストール

Raspberry NOAA V2というプロジェクトがあります。これはSDRで人口衛星電波を受信し、その信号をデコードする機能を持つアプリケーションです。

Quadrifilar Helixアンテナの組み立てが終わったので、このRaspberry NOAA V2を使った受信環境を構築しようと思います。

Raspberry Pi 4B 8GBにRaspberry Pi OS Liteの32ビット版をインストール。Raspberry NOAAのインストール中に64ビット版でも行けそうな感じだったのですが、この説明に従った32ビット版を使いました。

ヘッドレスで使用するので、インストール時にWiFiとSSHの設定をしています。

OSのインストール、アップデート、アップグレードが終わったら、リブートしてRTL-SDR (SDRレシーバー)を接続しておきます。

Raspberry NOAA V2をGithubからクローンして、設定ファイルを編集してインストールスクリプトを走らせるだけでインストールが完了するのですが、gitコマンドがエラーになってしまったので、手元のPCにリポジトリからZIPファイルをダウンロードし、Raspberry Piにscpコマンドでファイルを転送して作業を続けました。インストールスクリプトを実行した際にAnsibleが次のエラーを出力して処理を中断するかもしれません。

ERROR: Ansible could not initialize the preferred locale: unsupported locale setting

これはRaspberry Pi OSで作業中のユーザーのロケールにインストールスクリプトが対応していないのが原因のようです。

そんな場合は次のコマンドを実行してから再度インストールスクリプトを実行すれば良いと思います。

export LC_ALL=C.UTF-8

Raspberry NOAA V2は構成管理にAnsibleを使うなど、今風のプロジェクトです。こんなのをいきなり作れと言われたら自分にはできそうにありません。5年程前に開始したプロジェクトのようで、最終コミットが3ヶ月前です。地道に拡張・改良が繰り返された力作だと思います。

インストールが終わってしまえば、手元のPCからブラウザでアクセスすれば使えます。

これで先日作ったアンテナを接続すれば、気象衛星から気象画像を得ることができます。

このアプリケーションを使わなくても、受信した電波を音声(ラジオの雑音みたいな音)として保存し、それをデコーダーソフトで画像に変換すれば、Raspberry NOAAと同様のことができますが、人工衛星が上空を通過する時間を調べて、良いタイミングで電波を受信・記録するというのが煩雑です。その点、このアプリケーションならばほぼ自動的にやってくれるので、気象観測を目的とするなら良い選択肢だと思います。

これを書いている時点では、アンテナの同軸ケーブルの端子の加工が終わっていないのでSDRに接続できていません。近々にもシステムを完成させて、実際に人工衛星の電波を受信しようと思います。

ちなみに、これらをすべて行う費用は、アンテナ材料費が6千円、Raspberry Piが1万数千円、RTL-SDRが6千円で、合計2万4千円程度ではないかと思います。安価にこのようなことができるのはデジタル技術の恩恵です。

気象衛星から画像を取得する以外にも、航空無線や防災無線の受信、電波天文学などと応用範囲が広いシステムです。電波、無線、宇宙などへの興味や好奇心を刺激するのには良い題材ではないかと思います。

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