イーロン・マスク氏が興したxAIという会社がGrokという生成AIシステムを動かしています。Grok1から始まり現在のバージョンはGrok3です。NVIDIA H100 GPUを10万台使用した大規模な計算クラスターを何千時間も稼働させて学習された生成AIがGrok3です。
モノづくり塾がある山梨県上野原市全体の年間電力使用量は約425万kWhだそうで、いずれAIデータセンター1つで、上野原市全体の電力消費量を超えるかもしれません。そしてデータセンターには小型の原子炉が置かれるようになるのではないかと思います。
各地で行われている地域振興の活動とは別世界の出来事に見えます。(これ、結構、問題だと思います)
そのGrokですが、Grok4の開発が終わってある程度熟成したらGrok3をオープンソース化するそうです。
AIのオープンソースのガイドラインを定めているとか定めたとか聞いた記憶がありますが、現時点でオープンソース化のレベル分けがあります。
それをレベルの低い順に列挙すると、
- モデルのパラメーターのみを公開
- モデルとパラメーターのみを公開
- モデルの学習を行うプログラムコードも公開
- モデルの学習に使用したデータセットも公開
一言でオープンソース化と言っても、そのレベルが低いとあまりオープンソースっぽくない。
Grokの場合は、レベル2程度のオープンソース化のようです。
それでもOpenAIのChatGPTよりはマシでしょうか。
現在、各社は次世代の生成AI、AGIやASIと呼ばれている、超知能の開発に夢中です。軍拡競争ばりの競争です。
レベル2のオープンソース化でも、我々がパラメーターチューニングをすることができますから、それなりに有益です。仮にレベル4のオープンソース化がされたとしても、私のような末端の開発者の設備や資本力ではモデルの学習などできません。
オープンソースは、誰もがソースコードを入手し改良や改修ができる、衆人の目に触れることでイカサマがしにくいなどの利点がありますが、大規模な生成AIとなると、誰もが自由に改良や改修ができるものではありません。
超知能が実現すると、人間の知力を超えてしまうため、我々がいくら考えてもAIがどう振る舞うかを理解できなくなると言われています。その超知能を実装できるのは、一部の資本力のある企業だけ。何をどう学習したかは公開されない。
そういう未来が吉と出るか凶と出るかはわかりません。
これ、割と近未来に起きる可能性があることです。
その未来に対して、何の準備もしていないのが大半ではないでしょうか?
あなたは何かの準備していますか?
OpenAIやMicrosotやGoogleやMetaが開発した生成AIを便利だ凄いと言って使って喜んでいるだけだったりしませんか? これらの企業が良心に基づいてAIを開発していると思いますか?
常々思っていることですが、多くの人が、自分で決める権利を放棄しているように思うんですよね。
例えば、職業選択の自由というものがありますが、なかなか今の仕事を捨てて別の仕事をするということをしません。それをするのは、会社を首になったときだけ、みたいな状況ではありませんか?
学校で習ったことを盲信し、テレビや新聞の言いなり、政府や行政の言いなり、周りの「みんな」の意見を自分の意見だと言う。そういうことが多くないですか?
そんな様子を私は「自分で決める」って結構難しいんだなと思って眺めています。
難しいことは訓練しないとできないかもしれません。なので、私は「今の仕事を辞めて別の仕事をやったら?」と提案することがあります。自分で決める、自由を行使する訓練のためです。
超知能が自分で決めない人を動かす未来が訪れるかもしれません。超知能が何を学んでどう振る舞うかはわからない。良き振る舞いをしてくれるのを祈るしかない。そうなると超知能は神になってしまう。
そういう未来を望みますか?