ZIKUUが提案する合業の形

モノづくり塾『ZIKUU』の公式YouTubeチャンネルに掲載されている「丸太からロードバイク」という動画では、伐採されたイチョウの木が木製フレームのロードバイクになるまでをスライドショー形式で視聴できます。これは、私が以前から提唱している、林業から製材、最終製品の生産までを複数の事業を連携して一貫して行う「合業」と呼ぶ形態の一例です。

農業や林業に従事する人が少なく、若者が敬遠しがちな現状はよく指摘されます。しかし、樹木の伐採自体に関心がなくてもロードバイク作りに興味を持つ人や、逆にロードバイクよりも林業に関心を持つ人など、入り口は人それぞれです。関心を持てる入り口を用意することで、関連する他の業種にも目を向けるきっかけが生まれる可能性があります。

最近、知り合った若者の中には、樹木の伐採跡地にマウンテンバイクコースを整備している人たちがいます。これは、林業とアウトドアを融合させる試みと言えるでしょう。

私は、彼らのような取り組みをさらに発展させるため、次のような提案をします。

  1. 伐採現場に可搬型の製材機を持ち込み、その場で製材を行う。製材機は資金に余裕があれば購入し、なければ自作する。
  2. まず、製材した木材を使って、休憩、宿泊、木工などの活動ができる山小屋を建設する。
  3. 山小屋に併設した工房で、木製フレームのマウンテンバイクを製作し、利用者にレンタルする。希望者には販売も行う。
  4. 宿泊者向けに、家具や食器などを製作し、提供する。希望者には販売も行う。
  5. 山小屋の工房を利用して、木工旋盤を使った食器作りや、椅子やテーブルなどの家具作りを体験できる教室を開催する。

これらの事業を一体的に運営することで、林業、製材業、建築業、製造業、レンタル業、販売業、教室運営(教育)を融合した「合業」を実現します。事業への間口を広げ、参加する人々の知識や技術の向上、地域経済の活性化など、様々な効果が期待できます。「面白そうだから参加したい」という若者が集まれば、彼らが未来を切り拓く後押しとなり、地産地消の成功事例としても注目されるでしょう。若者でなくても、人生の後半の生き方・暮らし方を考えるきっかけになるのは人生100年時代に生きる我々には意味があることだと思います。

志を共有する仲間がいて、助け合い、泣き笑いしながら共同体を育てていく。

都会に暮らしているとなかなかできないことです。田舎にはチャンスがあるのです。

わくわくしませんか?

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