国民の自立なしに、国家の自立はあるのか

そんな問いを、私はときどき考える。 過去三十年間、日本人の収入は増えていない。むしろ税負担だけが増え、若者は低賃金に耐え、結婚や車を「贅沢」と呼ぶようになった。 自立とは――他人に値段をつけられないことだ。自分の給料を、 … 続きを読む

エネルギーの幻想と現実

――「気持ちよさ」の向こうにあるもの―― 「自然エネルギーで暮らそう」「脱炭素で地球を守ろう」。そんな言葉が、いま日本のあちこちで聞こえる。だが、どれほど心地よく響く言葉であっても、自然と社会の仕組みは、感情だけでは動か … 続きを読む

深く考えるためのAI教育

AIが一瞬で答えを出す時代になった。検索すれば、ほとんどの疑問にはすぐに答えが返ってくる。それは便利なことだが、人間の思考に、ひとつの変化をもたらしている。——考える前に、答えが手に入るようになったのだ。 日本の数学者・ … 続きを読む

国会はプロレスのリング

一 予定調和のリング 蹴られたり、投げられたりすれば痛い。だから、本人たちは真剣だ。だが、全体としては予定調和。真剣にやる三文芝居――それが国会であり、国政選挙である。 GHQ占領期、権威は天皇からGHQに移り、役人組織 … 続きを読む

言葉が物語に組み込まれるとき

言葉が単体で存在しているうちは、多義的で、使い手ごとに意味が揺れる。 「もったいない」もそうだった。 曖昧で、広く、柔らかい。 ところが、ある瞬間から、言葉が大きな物語に接続される。 環境。持続可能性。地球規模の倫理。 … 続きを読む

嘘でもいいから、という態度

世の中には、二通りの人がいる。 嘘の契約書を見ても、「仕方ない、形だけでも署名しておこう」と考える人。そして、「嘘は嘘だから署名できない」と言う人。 あなたはどっち派だろうか。 たとえば、日本国憲法の前文には「国会でこの … 続きを読む

かっこよさの基準を間違えた社会

ブッシュ大統領の前で、エルビス・プレスリーの真似をして踊った小泉純一郎。トランプ大統領の前ではしゃぐ高市早苗。なんともみっともない姿だ。 対して、2025年のメジャーリーグのワールドシリーズで活躍した、大谷、山本、佐々木 … 続きを読む

フランケンシュタインが武器を持つとき――衆議院選挙で考えたこと――

はじめに 何度も、見てきた。 新しい政策が発表される。説明は丁寧で、言葉は柔らかい。数字が並び、グラフが示され、未来への希望が語られる。 そこに露骨な悪意はない。むしろ善意が強調される。効率の向上、安全の確保、公平な分配 … 続きを読む