モノづくりのようなことをやっていると、「不器用だからできません」とか「器用だからできる」みたいなことを言う方によく出会います。
不器用な人、話下手な人、あるいは一風変わった人。そういう人がモノづくりに向いていないとは言えません。むしろ向いているのではないかと思います。
私自身、ノミの刃を研げるようになったと思えるまで10年かかりました。プラモデルを作るのが下手な、いわゆる不器用な人間です。だからこそ、長時間刃物を研ぐ練習を重ねました。「不器用なのでできません」「器用だからできる」と考えたら努力はしなかったでしょう。
話すのが上手くても嘘をついたり人を操ったりしようとしたりしないことが大切です。そういう人はモノづくりに向かないと断言します。話下手であっても、夢中に何かに取り組むような人、周りの人が困っている時にそっと手を添えて助けられる人、誤魔化さない人。こういう人はモノづくりには向いています。科学も工学も生産も、素材を相手にし自然の摂理に背けない行為だから、嘘や誤魔化しはすぐに発覚します。
大半の人とは価値観や感覚が違い、考えることも違う。そういう人を「変な人」と呼ぶのでしょう。そういう人がいてくれるからこそ、日常の活動の中に新しい視点を差し込んでくれて楽しいじゃないですか。
不器用なので結果が出るまでに時間がかかる。話下手(コミュニケーション下手)なので理解に時間がかかる。変な人だから理解に時間がかかる。モノづくり塾は学校とは違って何年で卒業するという形もありませんし、人と人を比べて採点もしません。できるまでやってください。じっくりやった方が身につきます。周りに理解されないことでも、自由にやってください。新しいものを生み出すにはこれは重要です。
これで上記の問題から離れることができると考えています。
モノづくり塾は、あなたが「出来た!」「わかった!」と思えるまでお付き合いします。
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