国民が監視しなければならない法律のこと

日本の基本法には次のようなものがあります。(Wikipedia調べ)

  1. 原子力基本法:(昭和30年12月19日法律第186号)
  2. 災害対策基本法:(昭和36年11月15日法律第223号)
  3. 中小企業基本法:(昭和38年7月20日法律第154号)
  4. 森林・林業基本法:(昭和39年7月9日法律第161号)
  5. 消費者基本法:(昭和43年5月30日法律第78号)
  6. 障害者基本法:(昭和45年5月21日法律第84号)
  7. 交通安全対策基本法:(昭和45年6月1日法律110号)
  8. 土地基本法:(平成元年12月22日法律第84号)
  9. 環境基本法:(平成5年11月19日法律第91号)
  10. 高齢社会対策基本法:(平成7年11月15日法律第129号)
  11. 科学技術基本法:(平成7年11月15日法律第130号)
  12. 中央省庁等改革基本法:(平成10年6月12日法律第103号)
  13. ものづくり基盤技術振興基本法:(平成11年3月19日法律第2号)
  14. 男女共同参画社会基本法:(平成11年6月23日法律第78号)
  15. 食料・農業・農村基本法:(平成11年7月16日法律第106号)
  16. 循環型社会形成推進基本法:(平成12年6月2日法律第110号)
  17. 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法:(平成12年12月6日法律第144号)
  18. 水産基本法:(平成13年6月29日法律第89号)
  19. 文化芸術基本法:(平成13年12月7日法律第148号)
  20. エネルギー政策基本法:(平成14年6月14日法律第71号)
  21. 知的財産基本法:(平成14年12月4日法律第122号)
  22. 食品安全基本法:(平成15年5月23日法律第48号)
  23. 少子化社会対策基本法:(平成15年7月30日法律第133号)
  24. 犯罪被害者等基本法:(平成16年12月8日法律第161号)
  25. 食育基本法:(平成17年6月17日法律第63号)
  26. 住生活基本法:(平成18年6月8日法律第61号)
  27. 自殺対策基本法:(平成18年6月21日法律第85号)
  28. がん対策基本法:(平成18年6月23日法律第98号)
  29. 観光立国推進基本法:(平成18年12月20日法律第117号)
  30. 教育基本法:(平成18年12月22日法律第120号)
  31. 海洋基本法:(平成19年4月27日法律第33号)
  32. 地理空間情報活用推進基本法:(平成19年5月30日法律第63号)
  33. 宇宙基本法:(平成20年5月28日法律第43号)
  34. 生物多様性基本法:(平成20年6月6日法律第58号)
  35. 国家公務員制度改革基本法:(平成20年6月13日法律第68号)
  36. 公共サービス基本法:(平成21年5月20日法律第40号)
  37. バイオマス活用推進基本法:(平成21年6月12日法律第52号)
  38. 肝炎対策基本法:(平成21年12月4日法律第97号)
  39. 東日本大震災復興基本法(平成23年6月24日法律第76号)
  40. スポーツ基本法:(平成23年6月24日法律第78号)
  41. 交通政策基本法:(平成25年12月4日法律第92号)
  42. 強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法:(平成25年12月11日法律第95号)
  43. アルコール健康障害対策基本法:(平成25年12月13日法律第109号)
  44. 水循環基本法:(平成26年4月2日法律第16号)
  45. 小規模企業振興基本法:(平成26年6月27日法律第94号)
  46. アレルギー疾患対策基本法:(平成26年6月27日法律第98号)
  47. サイバーセキュリティ基本法:(平成26年11月12日法律第104号)
  48. 都市農業振興基本法:(平成27年4月22日法律第14号)
  49. 官民データ活用推進基本法:(平成28年12月14日法律第103号)
  50. ギャンブル等依存症対策基本法:(平成30年7月13日法律第74号)
  51. 健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法:(平成30年12月14日法律第105号)
  52. 死因究明等推進基本法:(令和元年6月12日法律第33号)
  53. デジタル社会形成基本法:(令和3年5月19日法律第35号)
  54. こども基本法:(令和4年6月22日法律第77号)
  55. 共生社会の実現を推進するための認知症基本法:(令和5年6月16日法律第65号)

基本法が出来ると、その法律に関係しそうな事案は、その法律の枠の中で処理します。

基本法の対象外の事案は議会で議論されますけど、基本法ができてしまうと役人が話し合っちゃう。もちろん基本法の枠内であっても議論になることがありますが、なかなか議員さんの目が届かない。「議員立法」などという言葉がありますが、本来はそれが当たり前です。立法府の仕事は法律を作ることですから。

民意が届かない領域、民間の目に見えない領域で様々な判断が行われることになります。

その基本法を推進する外郭団体ができて天下り先になります。税金も増える。基本法が増えれば、役人の裁量が増え、税金の使われる場面が増えるということです。

これがなんとか基本法の構造です。

日本国憲法には「公務員は普通選挙で選ばれた人」と定義されていて「役人は官吏である」とも定義されています。これを国家公務員法の中で「我々職員は公務員である(一般職)」と謳い、日本国憲法の定義を上書きしているわけです。地方公務員法もこれを援用しているようです。

この所謂公務員一般職が基本法の主人ですから、民主主義と言いながら、民でもない、民が選んだ公でもない官が立法とその運用の主体となり、あろうことが天下り団体に税金を流し込みます。国会議員や自治体の議員が選挙で勝ち負けしても、役人は入れ替わりません。こういう構造が腐敗の遠因になっていくのです。

使い途が決まっていて、そこに大勢の役人OBやその利害関係者がしがみつくので、税金が安くなるわけがないのです。

国民はこのような構造があることを知った上で、官の動きを監視しなければなりません。

聖徳太子が十七条憲法で役人の規範を示しましたが、「役人組織は腐るもの」なので、わざわざ明文化したというわけです。偉人の言葉ってそういうのが多いんですよ。

毎日のように県知事のパワハラだなんだとマスメディアは騒いでいますが、民が選んだ公が官を使うというのが本来のあるべき民主主義の姿ですから、根本的な問題意識がズレているのではないかと思います。

整理すると、

・官が法律を作り官が運用する
・公が入れ替わっても官は入れ替わらない
・民は官を選べない
・官組織は腐敗する
・行政官が法律を作ることが多い

という構造を意識していると社会の見方の精度が増すと思います。

ちなみに、GHQの日本占領中に公の部分は入れ替えが起きましたが、官の部分は温存されGHQ配下に入りました。その官が国の舵取りをしているということであれば、今も占領統治が継続していると見て良いと思います。

個人的には政権が変わったら官僚組織も変わるべきだと思います。そうすれば腐敗も減るでしょう。それでも腐敗するというなら、政権が腐敗しているということなので、選挙で投票した民が反省しなければならないだけです。

前提として、民が投票行為を行うための情報が公平公正に提供されることと、民が国や自治体を動かしているという自覚が必要です。偏向した(真実の一部を報道しない)マスメディアの提供する情報を鵜呑みにしてはならない、「自分には関係ない」とか「誰に投票したって同じ」と思ってはならないということです。

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