ミニというかマイクロですかね。
上の写真はNVIDIAのJetson Orin Nanoというシングルボードコンピューターです。シングルボードコンピューターといえばRaspberry Piが有名ですが、このJetson Orin NanoはAI処理に重点を置いた製品で、CPU/GPUボードと開発用のキャリアボードのキットです。
価格は44,000円と安価なミニPCを同じくらいです。キットの内容はこの投稿の最後にまとめてあります。
安価なPCに安価なGPUを搭載したくらいの性能で、4ビット量子化した大規模言語モデルであれば、パラメーター数70億くらいまでのものなら文章生成(推論)に使用でき、パラメーター数20億くらいまでのものならモデルのチューニングもできそうです。
先日紹介したスーパーなミニAIコンピューターと比べると随分と性能は低いのですが、入門者のAIの研究用としては適した製品だと思います。
512GB程度のSSD(5,000円くらい)、安価なモニター+キーボード+マウスを加えても総額で80,000円くらいに収まります。
80,000円でAIの勉強ができると思えば敷居は高くないですね。外付けGPU付きのPCを組めば、安価な組み合わせでももう少し高くなりそうです。
PCと違うのは汎用IO(GPIO)が使えて、センサーやモーターを接続して、ロボットを動かしたりできます。AI搭載ロボットの研究開発ができるわけです。
また、安価なので複数台購入して、GPUクラスターを作るということがやりやすいです。
OSはUbuntuベースのLinux。
これならば、Linux、AI、プログラミング一般、ロボット開発、クラスターコンピューティングなど、多岐に渡った学習を始められそうですね。これらを学びたいという方は購入を検討してみてはいかがですか?
モノづくり塾の塾生であれば、こういうものを使った学習や実験を一緒にやれますし、初学者向けのアドバイスを受けられます。
開発者キットの内容
- ヒートシンクおよびリファレンスキャリア ボード搭載Jetson Orin Nano™ 8GB
- DC電源
- 802.11ac/ab/gnワイヤレスネットワークインターフェイスコントローラー
- クイックスタートガイド
Jetson Orin Nano 8GB モジュール
- 1024基のNVIDIA® CUDA®コアと32基のTensorコア搭載
- NVIDIA Ampereアーキテクチャ
- 6コア Arm® Cortex-A78AE v8.2 64bit CPU
- 8GB 128bit LPDDR5 102GB/s
- 外部NVMeに対応
リファレンスキャリアボード
- DC電源ジャック
- 2xMIPI CSI-2 22pinカメラコネクター
- 2xM.2 Key M、M.2 Key E
- 4xUSB 3.2 Gen2 TypeA
- 1xUSB TypeC for UFP
- Gigabitイーサネット
- ディスプレイポート
- 40pin拡張ヘッダー