塾生の木工旋盤体験

昨年、ご近所様にいただいたりホームセンターで買ってきたりした花が咲き始めました。秋には枯れて無くなったように見えたのですが、春から夏にかけて伸びてきて花が咲きました。

人間の方はといえば、昨日今日と暑くてグッタリです。小さな花の方が強そうです。

塾生さんの一人が木工旋盤をやりたいというので、今日は木工旋盤の指導をしました。

白樫の塊を削ってご飯茶碗みたいなものを作る練習をしました。

ところどころ私が介入しましたが、なかなか立派なものができたと思います。内側には水性ウレタン、外側には蜜蝋を塗って仕上げました。

本人にはなかなか気づきにくいものですが、刃物を構える位置や向き、刃物の動かし方など、「自分ではこうしているつもり」と「実際にやっていること」には、意外と大きなズレがあります。
たとえば、材料に対して刃を垂直や平行に当てるということは、最初はほとんどできません。一定のスピードで前後左右に動かすことも同様です。

これは慣れていないのだから当然のことで、誰もが通る道です。思考と身体の動きは、すぐには一致しないものなのです。さらに、人は長く生きていくうちに、考え方や体の使い方にそれぞれ癖がついてきますから、何かを始めるなら若いほうが有利なのは確かです。
年齢を重ねてから始めるのであれば、若い人以上にじっくり時間をかけて取り組む覚悟が必要になります。

実を言えば、私自身もモノづくりを始めたのは遅かったので、始めた当初は毎日何時間も練習を重ねる必要がありました。

さて、茶碗が完成したところで、塾生の皆さんには刃物研ぎの練習をしてもらいました。
それは、頭で考えたことを正確に指先に伝える力を養うには、刃物を研ぐ練習がとても効果的だからです。

今回は、カンナとノミを一丁ずつ研いでみました。

刃物を研ぐという行為に時間をかけるのは、単に「よく切れる刃物を手に入れる」ためだけではありません。

木工というと、電動工具で木を削ったり、ノミでホゾを掘ったりと、どうしても派手な作業に目が向きがちです。
しかし、実際に上達するためには、頭と指先がしっかりと繋がっていることが何より大切なのです。

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