木製ロードバイク製作の一場面

私の木製ロードバイクブランドWP Bikeの製品版ではやっていませんが、サドルとシートポストを木で作ってみました。

サドルはタモの上にキリを貼って軽く柔らかくした座面に本革のバックスキンを貼っています。レールは市販のサドルから取り出したカーボン製。170gと軽量なものになっています。

シートポストはタモの薄板を曲げて何重にも重ねています。

タモは強い木材ですが重いので中空加工して軽量化しました。アルミ製のシートポストと同じくらいの重量になっていますが、これだとアルミより硬いです。もっと攻めた作りをしたいところですが、それはしばらく実用してからのお楽しみとします。

こういうものを毎回作っていると手間ばかり増えてしまい最終的な製品価格が高くなってしまうので、普段は市販品を使うようにしていますが、製造コストを抑えられる仕組みを構築できたら内製化していきたいです。

これはボトムブラケット(漕ぐためのクランクが通る軸受け部品)を取り付けるシェルを作っているところです。旋盤で貫通穴を拡げている様子です。材料は軽くて強いA7075というアルミです。航空機の骨格部分などに良く使われる材料です。アルミサッシなどに使われているアルミはこれよりずっと柔らかいものです。

ねじ込み式のボトムブラケットを使うので、専用のタップでネジ切りをしている様子です。こういう専用工具は少し高価で街の自転車屋さんでも持っていないことが多いですが、ロードバイクなどのスポーツバイク専門店なら必ず持っている道具です。

外形を所定の寸法に切削して完成したシェルです。

ボトムブラケットシェルは自転車製作部品の専門店で鉄製のものを購入できます。作る手間を考えると買ってしまった方がずっと安いですがなるべく内製するようにしています。内製できればいざという時にアルミのスクラップをかき集め、それを溶かして材料にできます。

モノづくりをするには道具とエネルギーが大事です。

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