連載「Z世代=未来をつくるみなさんへ」第2回〜モノよりも「あいだ」を大切に

これまでの社会は、お金やモノを手に入れることが成功の証だとされてきました。
「いい給料」「立派な家」「高級な品」。
そうしたものを持つことが、人生の目標のように語られてきたのです。

けれど、モノがあふれる今の時代に、その価値観は息切れを起こしています。
モノを持っていても、心が満たされない。
お金を追いかけても、不安が消えない。
そんな感覚を、Z世代の多くが抱いているのではないでしょうか。

日本の文化には、本来「モノよりもあいだを大切にする」という考え方がありました。
人と人とのあいだ、自然と人とのあいだ。
そこに流れる関係や調和を重んじてきたのです。

マテリアリズム(物質主義)の社会では、人と人とのつながりが弱まり、孤独や分断が広がります。
けれどZ世代は、SNSやオンラインの場で「つながり」を自然に育てています。
その力は、これからの社会にとって大きな意味を持つはずです。

未来をつくるときに問われるのは、「どれだけ持っているか」ではなく「誰と関わり合っているか」。
モノの豊かさを超えて、人や地域との関係を豊かにすること。
それがZ世代に託された新しい役割だと思います。

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