ZIKUUにはITロードマップというのがありまして、これはコミュニティー、小規模事業、ホームラボなどを運営するための背骨(ITバックボーン)を整備するという目標です。
今日インストールしたTraefikは、ITサービスの玄関口になるソフトウェアで、背後で稼働する各種ITサービスの入口になります。
ZIKUUではDockerを使ってITサービスを運用していますが、それぞれのサービスが異なるネットワークポートを使用しており、現時点では http://xxxxx.zikuu.lan:10000 というように、暗号化されていないHTTPプロトコルで10000番というポート番号を指定してWebブラウザからアクセスしています。これをすべて安全なHTTPSプロトコルを使い、ポート番号を指定しない https://service1.zikuu.lanとしてブラウザからアクセスするようにします。そのために入口がTraefikということになります。これとデジタル証明書を発行するソフトウェアを組み合わせて、HTTPSでアクセスできるようになります。
私が掲げている基本方針は、
- コマンドを使うシステム管理に加えて、Web UI (ダッシュボード)を使った解りやすい、使いやすいシステムを構築する
- 自動化できるものは自動化する
- 知識を共有できる仕組みを組み込む
- 知識を得られる仕組みを組み込む
です。
当面の目標は、
- Traefikで入口を作り、背後で証明書発行機能とシングルサインオン機能を提供して、すべてのアプリケーションに統一的なアクセスを可能にする
- システムの監視機能を組み込み、監視を自動化する(自動化できるものは自動化する)
- それらをコミュニティーツール(Discord)と連携させる(自動化できるものは自動化する)
- 文書管理システム(知識を共有できる仕組み)
- ファイル管理システム(知識を共有できる仕組み)
- VPNによる安全なリモートアクセス
ここまでできると、そこに「何があるか」、「何をしているか」が「いつでも」「どこでも」わかる状況を作れます。そこまで行けば、システム管理の経験者であればシステムの維持管理ができる、システム管理を学習中の人であれば勉強しながらなんとか維持管理ができる、そうでない人はChatGPT(知識を得られる仕組み)に相談しながら、ギリギリなんとか維持管理ができる、と考えています。
現時点では、証明書発行とシングルサインオンができませんが、それ以外はすでに運用をしています。
これらに、コミュニティーや事業者ごとに必要なアプリケーションを加えていきます。ZIKUUの場合は、CCTVシステムによる施設監視、NextCloudによるクラウトストレージ、軽量なAIチャット、コミュニティ専用のDiscordボットを加えて運用しています。
今、開発中のChatGPTのようなアプリケーション(知識を得られる仕組み)を追加すると、「ChatGPTに相談しながら、ギリギリなんとか維持管理」をするという部分もコミュニティー内で完結できることになりますし、開発中の運用管理アプリケーションを追加すると、設備の管理が容易になります。
こういうものを雛形にして、コミュニティーや小規模事業者に提供しようと考えているのがコミュニティDX基本セットということになります。
ZIKUUのような小さな組織でも、やりたい・やるべきことを全部やろうと思うと、人材不足なんです。だから、一人で5人分のアウトプットを得るために様々な仕組みを開発するわけです。そうしていかないと、人口減少が進みジリ貧経済の地方は消滅しちゃう。AIは言語化できる部分のアウトプットを10倍くらいに増やしてくれますが、言語化できない部分のアウトプットを増やそうと思うと、それに適した仕組みを開発する必要があるのです。
完全体にできるまでは少し苦労しそうですが、コミュニティーや小規模事業を運営している方やシステム管理を勉強したい、いろいろと実験をしたいという方の役に立てるものになると確信しています。
興味のある方は是非塾に遊びにきてください。
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