モノづくりに器用さは不要

「器用ですねー!」

これ職人さんには禁句です。

どんな技術でも一朝一夕には身につきません。通常は何年、場合によっては何十年もやり続けて身につけるのが技術です。それに対して「器用ですね」というのは、その長年の努力を無視した侮辱的な言葉です。本人は褒め言葉のつもりかもしれませんし悪気がないことがほとんどなので、いちいち腹を立てるのは無粋ですが、使わない方が良い言葉なのですし「この人はわかってないな」と思われる言葉なのです。

何かを勧められたり誘われたりしたときに、それを断るときの理由(言い訳ともいいます)に「お金がない」「時間がない」などがあります。「器用ですね」はその類の言葉でもあります。「あなたは器用だからできるけれど、私は器用ではないのでできない」という使い方をします。この場合の本心は「やる気がない」です。

モノづくりに器用さは不要です。もっと言えばは器用でない方が良いです。

大事なのは諦めずにやり続けること。

失敗してもすぐにめげないこと。

よく考えながらやること。

器用だとちょっとやっただけで出来たように気になってしまいます。大抵の場合はそれに気を良くして天狗になってしまいます。諦めの悪い不器用な人はできるまで何度も何度も繰り返して文字通り身につけていきます。他の人の努力を想像して尊敬することもできるようになります。

コメントする