──クラウド依存から一歩離れて、自分の手に情報を取り戻すという発想
クラウドサービスは便利だ。
GoogleもAppleもMicrosoftも、いまや生活のほとんどを支えてくれている。
写真、メール、メッセージ、カレンダー、ファイル……。
すべてがインターネットの向こう側にあり、何もしなくても同期される。
最近ではApple Watchみたいなもので、生体情報ですらクラウドサービスに流れるようにもなっている。
ただ、便利さの裏には、当然ながらトラッキングとロギングがある。
これは良し悪しではなく、クラウドという仕組み上の「仕様」と企業の思惑があることは理解しておく必要がある。
だからこそ、どこかの段階で、私たちは問い直さなければならない。
本当に、自分の情報を「他人のサーバー」に置き続けていいのか?
3万円のミニPCで、クラウドから距離を取るという選択
コミュニティDXの導入は、別に大げさな話ではない。
性能を求めなければ、数万円のミニPCで十分に始められる。
少し古いモデルなら3万円前後でスタートできる。
上の写真のようなミニPCなら2万円程度。
その上に、Nextcloud や自前のVPN、メッセージング、ファイルサーバー……
必要なものを最低限の形で構築すれば、クラウドと距離を取りながら、日々の情報を自分のコントロール下に置ける。
これは言ってみれば、「家具をホームセンターで買うのをやめて、自分で作る」
そんな感覚に近い。
既製品は便利だし、綺麗だし、すぐに手に入る。
だけど、自分で木材を選び、寸法を決め、組み上げた家具は、多少いびつでも「自分の生活の中に収まる形」に仕上がる。
情報の扱いも、実は同じだ。
クラウドの便利さは否定しない
ただ「選択できる」という状態が重要だ。
私自身、クラウドの便利さを否定するつもりは全くない。
スマホもクレジットカードも、やむを得ず使っている部分がある。
ただ、その便利さに流され続けると、知らないうちに自立性を手放してしまう。
・どこに保存されているのか
・誰がアクセスできる可能性があるのか
・どうログが残っているのか
これらを理解しないまま使うのは、ホームセンターの家具で部屋を全部埋めてしまうのと同じで、生活の「作り方」を考えなくなる。
大事なのは、クラウドを否定することではなく、クラウドを選ぶか、自前を選ぶかを自分で決められる状態に戻すことだ。
そのための最初の一歩が、小さなミニPC一台のコミュニティDXだ。
マニアのコンピューター遊びではなく、生活の知恵として、共同体や家庭に情報を戻す。
「自分で持つと大変」──それは半分正しい。でも半分は誤解。
確かに、自前サーバーには手間がかかる。
慣れない人ならなおさらだ。
だからこそ、普通の人にはハードルが高い。
そこで必要になるのが、“コミュニティDXパッケージ”という考え方だ。
つまり、「難しい部分はコミュニティ側で準備して、各家庭や小さな団体は最低限の設定だけで使えるようにする」
そういう“地域版デジタル基盤”を用意してしまう。
これなら、デジタルが苦手な人でも乗れる。
そして、乗ってしまえば、自前で情報を持つ心地よさがわかる。
これは技術の話ではなく、生活の構造の話
クラウド依存の強い社会は、便利だけれど、脆い。
何かが止まれば、私たちの活動も止まる。
誰かの都合で仕様が変われば、生活の流れそのものが変わる。
一方、自前のDX基盤は、規模は小さくても、そのコミュニティの生活に合わせて育てていける。
これは単なるITの話ではない。
生活の構造を、自分たちの手に取り戻すという話だ。
了解。この流れに自然に続く、短くて刺さる一段を作っておくね。
ちょうどブログ記事の後半に入れる“軽い警告”として使えるやつ。
情報消費者(実はカモ)になってはいけない
多くの人は、LINEのような便利なアプリを当たり前に使っている。
「セキュリティ危ないよ」と言っても、返ってくる答えは決まっている。
「別に、知られて困る情報なんてないし」
でも、この言葉は“自分の情報”しか見ていない。
スマホの中にあるのは、自分だけじゃない。
・家族の名前
・友人の会話
・取引先のメッセージ
・住所録
・写真
・通話履歴
アプリが持っていくのは、自分の情報だけじゃなく、自分に関係する人すべての情報だ。
つまり「知られて困る情報はない」と言っている人は、自分だけでなく、周囲の人の情報を“勝手に差し出している”可能性がある。
便利さの引き換えに何を渡しているか、まずそこを理解しないと、気づかないうちに“情報消費者=カモ”のポジションに立つ。
最後に:ミニPC一台で始まる「情報の自立」
コミュニティDXの導入は、「自分たちの情報を、自分たちの空間に戻す」ための第一歩だ。
3万円のミニPC。
ホームセンターではなく、自分の手で作る家具のように。
少し手間はかかるが、確かな自由度と安心感がそこにある。
もしあなたが、「クラウドに預けすぎているかもしれない」と感じるなら、そろそろ一歩踏み出してみてもいい。
最初は小さくて構わない。
ただ、その一歩が、あなたとコミュニティを確実に強くする。
どこから始めるか、わからない人や迷っている人。
相談に乗るので、気軽にお越しください。
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