小説執筆ツールを作る

ZIKUUではなるべく、ノウハウを構造化するようにしています。

例えば、

日常の何気ない振る舞いを分析・構造化し、RAG用のベクターデータに変換する
プログラムを開発する手順を自動化するためにテンプレートやスクリプトを開発する
コマンドを入力しなければいけない処理をスクリプト化してダッシュボードのボタンにする
材料の加工の精度と速度を高めるために治具を作る

ということを日常的に繰り返します。

昨夜から今日にかけて、小説を執筆するツールを作っていました。

上のスクリーンショットに見える手順で小説を製本一歩前のところまで作業の大部分を自動化します。

テンプレート

小説の構造を決める設定ファイル、現行の保存場所、自動化スクリプト、手順書などが置いてあります。このディレクトリを複製して執筆プロジェクトを開始します。

小説設定

小説の構造を決める情報がbook.yamlファイルとして置かれています。小説に合わせて各項目を編集します。

自動化スクリプト

400行くらいのPythonスクリプト。Markdownで書かれた章ごとの原稿を用意し、book.yamlを編集してから、このスクリプトを実行すると、LibreWriter用の.fodtファイルが生成されます。

.fodtファイルをLibreWriterで開いて、スタイル設定を4つほど設定、目次作成をすると製本に出せる一歩前の状態までいきます。この手作業の時間は慣れれば数分というところ。

推敲や校正をするために、何度も読み返すことになるんですが、そのときに一旦完成形まで持っていってPDF化して、スマホやタブレットで読めるようにします。この作業の大部分が自動化されると作業の負担が大幅に減り、人間は文章を書くことに集中できます。

これで小説を書いて出版するという行為の敷居がぐっと下がります。

従来共同体と構造共同体

多くのコミュニティ(共同体)を見ていると、従来型の農村共同体を目指しているように見えます。求心力の強いリーダーがいて、共同作業が美点として協調されるのが特徴です。「みんな仲良く」が協調されるのコミュニティーのほとんどがそうです。
この型には、リーダーがいないと続かない、動員型の活動が重視され、イベントが増え、参加しない人が罪悪感を持ち参加することが重くなる。リーダーの求心力で集まる信者が集まるケースも見られます。そして分裂も起きやすい。

それにたいして、構造共同体は、仕組みと道具を用意して環境を作り、その環境で個々が自立を目指しながら活動すれば自然に共同体が維持される。環境を発展させれば共同体をスケールさせられるし、共同体のコピーも作れる。リーダーがいなくなっても構わないし、参加が負担にならない。個々の自立と分散運営に重きを置いているので、分裂が起きることもありません。

ZIKUUが目指しているのは構造共同体です。

工房と機械や道具(作る)教科書(学ぶ)IT(動かす)AI(考える・継ぐ)を一つの場所にパッケージとして置く意味がここにあります。そのパッケージの一部として、塾長である私が、職人として技術者として塾生にそばにいるという構造です。私にはカリスマ性や強い求心力は不要で、ただのオッサンでいいわけです。

ZIKUUの完成は、このパッケージの完成を意味します。
それを文明バックアップ装置と呼んでいます。

潰さない、壊さない、作り直せる

それが目標です。

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