論文形式だと難しいと感じる方のために要約しました。
しきりに政府が宣伝する政策には、
- 予算がついている
- 予算の周りに外郭団体ができる
- そこが天下り先になる
- 公金の流れ先が固定化され、使命を終えてもその組織は存在しつづける
- 減税への圧力になる
多くの場合、こういう構造が出来てしまう。
国民は、賢く判断して、極力自立して、対応する必要がある。
そうは言っても、「流行りだから」「ビジネスチャンスだから」と群がる業者、コンサルタント、NPO、地域活動家は湧いてきて、公金を食い合うことになる。
そもそも自己資金で運営・継続できない事業が妥当かどうかを考えるべき。
それをやる能力があるかどうかを見極めるべき。
それをやれるように努力しているかどうかを省みるべき。
増税が嫌なら、この構造には慎重になるべきだ。
では、要約です。
背景
日本政府・メディアは「リスキリング」を成長戦略の中心と位置づけ、個人の技能獲得と労働移動を強く推奨。
主張
個人レベルでは合理的だが、地域社会・共同体に構造的に破壊的影響を及ぼす可能性がある。
リスキリング政策の前提構造
- 技能は個人に帰属する。
- 技能は可視化・認証・比較が可能。
- 技能の価値は市場で評価される。
- 労働移動は社会全体の効率を高める。
これらは都市部の企業労働市場では合理的だが、地域社会の文脈はほぼ考慮されていない。
地域社会における技能の性質
資格や講座で獲得できるものではない。
例:農作業・修理の経験知、人間関係調整・合意形成、災害時の即時判断、長期的な土地・人の記憶。
「使われる場」「関係性」「継続的実践」によって形成され、共同体に沈殿する。
リスキリングが引き起こす人材流出メカニズム
- 吸収力の高い人材が優先的に対象。
- 技能取得後、価値が可視化。
- より高い報酬・条件を求めて地域外へ移動。
結果として残るのは、移動が困難な層、可視化できない技能、判断を引き継ぐ人材不在の組織。
地域は自律的判断主体を失う。
「学びの場」としての地域の消失
従来は「働く→覚える→引き継ぐ」が同一文脈で行われる学びの場だった。
リスキリングは「外部で学び→認証→市場で使う」という分断プロセスを正当化。
地域は技能形成の場ではなく、単なる生活拠点・行政管理対象へ変質。
問題が可視化されない理由
- 政策成果が短期指標で測定される。
- 地域崩壊は緩慢かつ不可逆的。
- 破壊が「善意の政策」として進行。
目的的に地域を壊しているわけではないが、結果として判断者が静かに抜き取られる。
共同体に接続された技能形成の視点
技能を市場・資格・個人ではなく、共同体内で継続的に使われるものとして捉える。
場に接続され、判断と責任が共有されるとき、地域は自律性を保つ。
結論
リスキリングは個人に合理的選択肢を提供するが、地域社会の持続性には重大な副作用がある。
「何を学ぶか」ではなく、「その技能がどこに接続され、誰の判断として残るか」が問われる。
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