最近、DS(ディープ・ステーツ)という言葉が頻繁に語られるようになりました。
たいていの論者が、現象面に着目して論じていますが、それは間違いだと思っています。
構造を見ることが必要です。
DS(ディープ・ステーツ)と呼ばれるものは、人や組織ではなくて、次の構造のことです。
解決策や対抗策を考えるなら、構造から攻めていかないといけません。
DS構造とは、
1.国際機関・財団・基金がテーマを設定する。
たとえば「気候変動」「ジェンダー平等」「感染症対策」など。
これが「資金の入口」になる。
国際機関がテーマを設定して、財団や基金が資金を流す。
2.学術機関・シンクタンク・メディアがそのテーマに沿って研究・報道を行う。
助成金・奨学金・研究費・広告費の形で資金が流れ、
結果的に“正しいとされる物語”が形づくられる。
3.官僚・政治家がその物語に基づいて政策を立案し、国際的な評価を得る。
「国際的正義」と「国家予算配分」とが資金によって直結する。
その過程で得られたデータや知的財産、報道の枠組みが再び財団・投資家側に還元される。
国際的な評価と予算配分によって、官僚や政治家の出世や高収入が保証される。
この循環構造のことをDSと言います。
つまりDSとは資金循環構造のこと。
この構造の凄いところは、
関係者全員にモチベーションがあることと、
構成員が入れ替わっても続くこと。
人間の欲を反映させた構造だからです。
非常に強い構造です。
個々の行いを暴く、個々の行いを批判する。たいていの論者はこればかり。
誰が悪い、どの組織が悪いとやっている。
でも、それは効果がありませんし、対立構図を作るだけで、
構造を作り運営している側から見れば、嘲笑の対象にしかなりません。
総理大臣が変わっても変わらない。
資金循環構造が問題なのだから、代替的資金循環構造を作るのが解決策です。
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