モノづくり塾のある山梨県上野原市が主宰している未来会議に参加しています。近々3回目の会議が開かれます。
上野原市は山間の自治体で目に見えて人口が減少しています。人口減少の主な原因は結婚適齢期の女性が地域を離れてしまうこと。その結果、結婚も出産も減ります。
上野原の未来会議では、市役所の職員、コンサルタント、市民や私のような半移住者みたいな人たちが10年後の上野原をどうしたいかを議論します。
私としてはモノづくり塾を作った理由が未来への準備ですから、上野原市がどう動こうとやろうと思っていることがブレることはないでしょう。なので会議では「うちはこうする」という話をすることになります。
そもそも民間の産業が活発でない地域に人が住み続けることはないので、もっと民間が活躍できる状況を作って欲しいと思っていますが、それを言うと自分への利益誘導を求めていると勘違いされかねませんから、会議では「こうすべきだ」「こうして欲しい」「こうしよう」という話がしにくいのです。
結構な数の市民が参加していて、みなさんの熱意を感じますが、私の問題意識と近い人はとても少ないので議論にならないと感じることが多いです。
以下、現時点での私からの提案です。会議参加者の方々の目に触れることはないかもしれませんが、もし目に触れることがあったら少し考えてみてもらえると嬉しいです。
1.若者中心の会議にしてはどうか
未来を考える会議ですから、私のような還暦を過ぎた人の意見よりも若者の意見を尊重した方が良いでしょう。私たち大人(おじさん、おばさん)はそんな若者たちを後ろから支えるだけで良いのではないか。例えば若者だけで意見を集約して、それに大人たちが一枚噛むみたいな形で良いのではないかと思います。
2.許認可申請業務をAI化してはどうか
許認可に関連する業務(主に士業の仕事)は市民から見たらコストです。CADで設計した図面を送信したら建築確認が自動的に行われるようにするとか、そういう方向に舵を切ったほうが良いのではないですか?若者を登用できるのも良いですね。既得権益がなくなると感じて抵抗する人も多いかもしれませんが、1年や2年でできることではありませんから、早くやらないと社会の流れに乗れません。
3.人口減少を前提として自給率100%を目指してはどうか
人口が減れば自給率を上げやすいですよね。ここでいう自給率は食糧だけではありません。暮らしに必要なすべてのモノが対象です。地方自治体では無理なこと、大規模インフラ整備、高等教育、高度医療、エネルギー自給等は国に頼るしかありませんから本当の100%は無理としても、地域内で供給できるものを増やすと良いと思います。
4.林業の復活は必須
これは市が主導・介入してでもやった方が良いです。上野原の資源は森林と水くらいです。山林だらけなのに大きな製材所が無い。活用ができないものは資源と呼べません。
これらはモノづくり塾で実践しようとしていることでもあるので我田引水と思われてしまう恐れがありますが、私としてはそうならないように営利重視の姿勢を取っていませんし若者が参加する敷居を下げているつもりです。モノづくり塾ホームページをご覧いただければ儲け主義じゃないことをご理解いただけると思います。
モノづくり塾では今から10年間で若者が地域で起業できる・起業したくなる状況を作れると良いなと思っています。
大人も若者ももっと挑戦した方が良いと思うんですよね。
挑戦というのは「できないことに挑む」ことですから、先例がないとか自信がないとか経験がないとかは禁句ですよね。そういう意味では役所ができることはあまりないのでしょう。そうなると未来会議をやっても無駄なのかもしれないなんていう話になってしまうかもしれませんが、そうならないためにもみんな頑張ろう!