企業DXを推めるなら

中小企業に対してIT人材の雇用と養成を支援するのが一番大事です。DX予算を設備や機械に投資するのはその後で良い。小さな会社でもIT人材を一人でもいいから抱えましょう。メディアに広告を打っているパッケージソフトやオフィスツールなどのメーカーの戦略に束縛されるツールを選んでしまうと、それを使う企業もそれを使わされるIT人材にも将来良いことはありません。

「人が財産」と言いながらIT人材をコストとしか見ない企業が多すぎます。それは経営陣がIT戦略やIT戦術を持てないからではないですか?経営陣のITへの理解が足りない、目に見えないもの(ソフトウェア)への猜疑心や想像力の欠如があるからなのではないでしょうか。

そもそもどのようなIT人材が必要なのか。経営陣のITへの理解が足りないとここで躓きそうです。ですので、有用なIT人材とはどういうスキルを持っている人なのかを定義してみます。

現状と近い将来の両方を考慮して求められるIT人材は次の条件を備えた人です。

  1. フルスタックのWebアプリケーションを開発・運用できる
  2. ローカルLLMの運用、アプリケーション開発、ファインチューニングができる
  3. 2つか3つのプログラミング言語を理解している

だいたいこんな感じです。

人材を求める側も人材になる側も、これらの条件を満たすことを前提にすれば良いと思います。

フルスタックのWebアプリケーションを開発・運用できるスキルとは、HTML/CSS/JavaScript、あるいはAngularやReactなどのWebフレームワークを理解している、何らかのデータベースの操作やプログラミングができる、LinuxなどのサーバーOSの基本的な操作や運用ができる、ネットワークへの理解がある、といったスキルです。今ならDockerなどの仮想化技術も知っている必要もあります。

これらのことは、手持ちのPCでLinuxを運用して、オープンソースの開発ツールやデータベースを動かしてプログラミングや運用の勉強をすれば良いです。これを学習環境と呼ぶことにします。

ローカルLLMに関しては、手始めに、上記の学習環境にOpenWebUI、Ollamaをインストールして動かし、OllamaをアクセスするGUI付きのWebアプリケーションを作成するなどすれば良いです。次にに単なる推論アプリケーションだけではなくRAGなどの拡張機能を実装してみる。そしてそんなに高価なものでなくても良いので学習環境のPCにGPUを追加してLoraなどのファインチューニングをやってみる。この辺りまで学習が進めば、一般的なAIアプリケーションを開発運用できるようになる筈です。

1と2の条件を満たすには、Python、JavaScript (TypeScript)、Javaなどのプログラミング言語を理解すれば良いですね。これらのプログラミング言語についての無料教材や事例はたくさんあるので独習する苦労も多くないでしょう。

これが出発点です。ここまでは1〜2年も学習すればできるようになります。

この条件を満たした上で、業務知識を増やすには◯◯、機械の制御をするなら◯◯、設計をやるなら◯◯・・・・という具合に学習領域を広げていけば良いでしょう。

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