AIとの会話から暗黙知を抽出できるか

前回、複数チャンネルに対応してDiscord Ingesterを作り、Discord投稿を自動的に取り込む準備ができました。

AIは形式知(言葉にできる、コピーできる)については、人間を凌駕している部分が多いので、そこを追いかける意味はほとんどありません。AIが持たない、暗黙知と身体知をどうするかが、今後のテーマになってくるでしょう。
身体知については、身体を持たないコンピューターでは、いろいろと実験されているようですが、使えるものを手に入れることは当分無理だと判断しています。
しかし、暗黙知については、部分的には抽出してAIの学習に使えるのではないかと思っています。

ZIKUUが開発しているAI塾長は、正解を教えるAIではなくて、判断を助けるAIを目指しています。
人間の判断は、形式知・暗黙知・身体知の合わせ技ですから、身体知は無理にしても、暗黙知の一部までをAIが使えると、人の判断補助ができるようになるはずです。

今日から、暗黙知を集める実験を始めました。

Discordに専用チャンネルを作り、人とAIチャットボットが会話する環境を用意し、背後で、スレッドごとデータを記録する。ある程度データが溜まったら、人が何を選んで、どう判断したかを、暗黙知として吸い上げようという寸法です。

今日は、Discordからスレッドのメッセージを全部引っ張ってきてデータベースに保存する、というところまでやりました。

上のスクリーンショットは、スレッド内で私とAIチャットボットが会話をしている様子です。

それをNerve(ZIKUUの神経系ソフトウェア)がイベントとして捉えて、キューに投げます。

キューを監視しているモジュールが、Discordメッセージを正規化してデータベース保存モジュールに渡します。

メッセージを正規化した段階で、スレッドIDが振られるので、スレッド内の一連のメッセージをまとめて取り出せます。

今日はここまで。

次は、データベースに保存したスレッドを読み込んで、暗黙知らしきものがあるか、あればどういうものかをAIを使って解析する機能を追加します。

Nerveはイベント駆動型のパイプライン処理を行うソフトウェアなので、キューにイベントを投げれば、イベントに応じたパイプラインが自動的に選ばれて処理を継続する仕組みです。データの流れを処理するのに便利な仕組みです。

暗黙知収集の最初の実験ですから、いきなり上手く行くとは思っていませんが、実験なんてそんなもんです。

しばらくAIチャットボットと会話をして、データを蓄積したら、次の分析段階に進みます。

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