モノづくり塾『ZIKUU』の建屋の設計がほぼ終わり材料の見積もりが出てくるのを待っているところです。
ZIKUUで行うのは「生きるための(生き残るための)技能の習得」であったり「職業の選択肢を増やすこと」であったりします。
「衣食住」の「住」は生きるために必要なことなのでできるようになっておいた方が良いと思い、労力や時間がかかるのを覚悟して自分で建屋を建てることにしました。
実際にやってみるとこれがよくわからない。建築用語を知らないので専門家と話をしても話が通じない。なので建築については勉強して資料をZIKUU内で共有していくことにします。
人間は生まれたときは何も知りません。
少し雑ですが「理解は作れること」とほぼ一緒です。「知行合一」という言葉もありますね。
ZIKUUでは学習を次のような考え方で進めます。学習領域に関心があるのが前提です。
第一段階「何ができるのかを知る」
知らないことを考えることは難しいです。「何かやりたいけれど何をやって良いかわからない」という状態でアイデアが出ないということも多いはずです。企業の社長が業務改革をするためにコンピューターを導入しようとしますが、コンピューターに関連する技術を知らないために何をどのようにやれば良いかがわからない。高額の費用をコンサルタントに支払って改革に着手する。そんな光景は至るところで見られます。あるいは「わからないから始められない」という状況で空回りする。指導(誘導、先導)側としては実演して見せることが必要だと考えています。
第二段階「他のやり方がないかを考える」
目的地に辿り着く方法はいくつもあるものです。いくつもの方法論を知ることで視野が広がります。一つの方法で上手くいかなくても別の方法なら上手くいくかもしれませんから、諦めずに様々な挑戦をする練習にもなります。指導(誘導、先導)側としては、ある程度複数の方法を事前に検討しておいて「次は同じことをこれでやってみては?」と提案する形になると考えています。
第三段階「自作する」
最後に全部作ってみてモノゴトの仕組みと向き合い理解する。ここまで行けば理解が深まります。
この三つの段階を小さく速く回せるように配慮するのが私のやり方の基本です。
建屋を自分で建てるのはその第一段階の準備みたいなものです。ここが一番大変です。
「匠の技」とか「伝統の○○」とか、難しそうな顔をして何かをやっている映像を観たことはありませんか?
私も伝統工芸と呼ばれていることをやることがあるので難しいことはわかっているつもりですが、難しそうな顔をしてやる必要はないかなと思っています。
言葉では伝えられない領域もありますが、伝えられる領域もたくさんあります。その伝えられる領域に関しては文書化して残すべきだというのが私の考えです。
「やって覚えろ」というのは時には効果的ですし、長い目で見たら試行錯誤を経験する機会が力になりますが、ZIKUUがやろうとしていることの多くをその方法でやるには人生は短か過ぎます。
かといってあまり性急になっても辛いし、人によって進捗は違うしで、状況に応じて匙加減をすることになりますが、一応の標準があった上で調整することになります。
将来、ZIKUUが知と技の集積地になれたら良いなと思っています。