モノづくり塾では薪ストーブを作ろうと思っています。屋外での調理と風呂を沸かすのが目的の限定的な使用です。
塾では、暖房は石油が主体で、次にエアコンやコタツなどの電気がきます。エネルギーは通常の送電網から供給される電気を主に使い、バックアップのためにソーラーパネルとガソリンエンジン式の発電機を備えます。戦争や災害でインフラが破壊されたときの備えとしてのバックアップ電源です。
上野原のような山林の多い地域なら、薪は燃料として使いやすい環境ですし、燃える火を眺めて過ごすのも良いものです。エコな気分もあります。
が!
同時にエネルギーとしてどうなのか?なんていうことも考えましょう。
エネルギー密度について調べます。
石油は37.1Gj/m3、 薪は6.3Gj/m3、バイオ燃料は34Gj/m3くらいです。Gjはギガジュール。
石油は薪の5.88倍のエネルギー密度です。薪は石油には太刀打ちできません。ですので、薪が良いからといって、薪を主体にしたら、あっという間に日本の山から木が消えます。薪で電気を起こそうなどと考えるもの無理があります。
石油の問題は国内で採掘できないこと、石油利権によって独占されていることなど。過去に石油価格を吊り上げるために石油が枯渇するという嘘の宣伝が行われました。それで10倍くらいに値上がりしましたね。枯渇の心配がないなら値上げの口実にできません。
石油は有限だから枯渇するという心配されることがありますが、一般に埋蔵量といわれるものは在庫量みたいなもので、潜在的な埋蔵量は数千年分くらいはあります。枯渇を心配する必要はない。千年も経てば新しいエネルギー源を手に入れられます。
菜種油などのバイオ燃料はなかなかのエネルギー密度です。バイオ燃料なら良さそうです。
菜種は1ヘクタール(100m x 100m)の畑で1トンくらい収穫できますが、一般的な圧縮法という方法で搾り取れる油の量は収穫量の3割程度。1立法メートルの菜種油を得るには3.3ヘクタールの畑が必要です。
1立法メートルの石油は7バレルほど。今、バレルは75ドル程度なので、1トンは75000円くらいかな。石油のエネルギー密度は菜種油の1.09倍程なので、3.3ヘクタール x 1.09 = 約3.6ヘクタールの畑が必要ということになります。75000円で3.6ヘクタールの畑を所有し耕し収穫し絞り出すことができますか?
食べるものを作る畑を潰してエネルギーを得るのも最悪です。寒いからといってパンを燃やす人はいません。
エコな気分って、結構危ういと思いませんか?
環境に優しいと思いますか?
技術の進歩を見ながら、効率的なエネルギーの選択をしたいものです。
調べれば誰でもわかることなので、調べる癖をつけるのも良いです。