批判と提案のあいだにある沈黙〜その3

自分の自治をつくる

批判しても動かない社会。
提案しても届かない制度。
それなら、外側にもう一つの仕組みをつくるしかない。
それが「自分の自治」という考え方だ。

自治とは、何かを管理することではない。
自分の頭で考え、自分の手で動き、自分の責任で結果を受け取ること。
役所に頼らず、補助金に縋らず、誰かの許可を待たずに動くこと。
たったそれだけのことが、今の社会ではいちばん難しい。
だが、その難しさを越えたところに、自由がある。

制度の中で働く人たちは、どうしても「言われた通り」に動く。
仕組みが壊れていても、職を失うわけにはいかないからだ。
だから、制度の中から改革を叫んでも、響かない。
必要なのは、外に出て、自分の手で小さな経済圏と信頼圏を築くこと。
それが、個人の自治であり、共同体の自治の始まりになる。

「仲良くしよう」ではなく、「並んで歩こう」でいい。
上下をつくらず、利害で縛らず、それぞれが自分の得意を出し合う。
ZIKUUでやっていることも、そういう試みの一つだ。
教える人と学ぶ人の境界をなくし、作業しながら思索する。
その繰り返しが、ゆっくりとした自治の形を育てていく。

制度の外で働くことは、反抗ではない。
むしろ、もう一度「理」に従って働くということだ。
目の前の人のために作り、手を抜かず、嘘をつかず、長く残るものをつくる。
10分1万円の点検ではなく、10時間1万円でも誇れる仕事。
それが、自分の自治の最初の一歩だと思う。

国や自治体がどう動こうと、私たちは自分の道具と理性で生きていける。
それが、「自分の自治をつくる」ということ。
他人に任せず、怒らず、諦めず、静かに手を動かし続ける。
その営みの積み重ねが、いつか社会を底から変える力になる。

コメントする