合業というカタチ

日本中の過疎化、人口減少、少子高齢化などの問題が話題となり、多くの自治体がその対応を検討しています。直接的な影響として、後継者不足、地域経済の衰退、税収の減少などが心配されています。

現代社会は分業化や専業化が進んで、他の業種のことは知らないという人が多いと思いますが、モノづくり塾では最終的な自給体制を考えながら多様な供給力を身につけようという志を持って事に取り組みます。なので他の業種のことは知らないということは極力減らしたいのです。

農業は農業だけ、林業は林業だけ、製材業は製材業だけ、IT業はITだけというのをなくしたい。なくせないまでも他の業種のことを学ぶことへの抵抗や躊躇をなくしたい。

この写真は千葉県市原市でモノづくり共同体の活動をしていたときに当時の仲間が伐採したイチョウの木をチェーンソーで粗製材して軽く鉋掛けしたものです。これは伐採という林業の出口と製材業をやったということです。

粗製材したイチョウの板材を木製フレームのロードバイクの材料にするために1年間の自然乾燥を経て製材し直したものがこの写真です。

これが木製ロードバイクとなり、実用的な自転車として運用されるようになれば、林業(の出口部分)〜製材〜製造という一連の業が統合されます。これを私は合業と呼んでいます。

モノを作るには道具や材料が必要、道具を作るには、材料を得るには・・・・と供給連鎖(サプライチェーン)があります。モノを作るということはそのサプライチェーンの中に身を置くわけです。合業はサプライチェーンの短縮という意味でもあります。

昔は山々を渡り歩いて木を伐採し、作業小屋を建て、食器を作る(会津木地師)というような合業が数多くありました。それの現代版をやろうというのが私の提案です。

現代のモノづくりは非常に複雑ですから、昔の人よりも求められる能力は高いと思います。幸いなことに私たちは先人の知恵や技術を身を持って・資料として・記憶として継承しているわけですから、昔の人よりも高い能力を発揮できる可能性があります。そう思いませんか?

モノづくり塾では複雑になったモノづくりの全体を視野に入れ「興味を持ったらやってみる」を実践する未来の共同体を目指します。

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