少子化対策

政府も自治体もいろいろな施策を考えていますが、少子化対策というよりは少子化政策のように見えます。

アフリカでは綺麗な水が飲めない子どもたちが病気になって子どものうちに命を落としてしまいます。日本で暮らしていると想像しにくいことですが現実です。

そのような人がたくさん死ぬ地域では出産率が高い傾向があります。日本でも戦後にベビーブームが来ましたが、眼の前でバタバタと人が死ぬと産まなきゃいけないという自然の力が働くのではないかと思います。これは眼の前でバタバタが大事です。老人ホームや病院で周りの目に触れずに亡くなっていくと実感がありません。死は忌み嫌うものであると考える向きもあるかもしれませんが、両性生殖する生き物は子孫を残して死ぬものですから死と生は生命の両面です。

現代の少子化問題は、特に日本の場合は可住面積あたりの人口がとても多いという状況ですので、少し人口が減った方が良いという自然の力が働いているかもしれませんし、死を人目から遠ざけることによって生命の仕組みが誤動作しているかもしれません。

労働時間を減らして夫婦で子育てをやろう、託児所を増やそう、産休をたくさんとらせよう、結婚式や出産の補助金を出そう。そういうことを日本中でやっていますが、自然の力=摂理の力の方が強いのではないかと思います。人口動勢は比較的確度の高い統計ですし、随分前から少子高齢化や人口減少は問題となっていましたが一向に成果が出ていませんし、今後もほとんどの施策は失敗するでしょう。

少子化対策とは産めよ増やせよ政策ではなくて、少子化(人口減少)を前提に社会の仕組みを調整していく政策です。前者と後者とではやるべきことがまったく違います。

モノづくり塾は後者の少子化対策(人口減対策)を重視します。

恐らく高齢者はインフラが整備された都市部に移るでしょう。所謂田舎では若者しか生きられない時代が来ます。そうなったら必ずしも都市部に出ていかなくてもできるIT、静かなところでじっくり取り組む研究開発、農業や林業、モノづくりなどの広い用地を必要とする仕事がやりやすくなります。

「子どもが減るから大変だ」「人口が減るから大変だ」ではなく、発想を転換して勉強、研究、生産に投資していくと良いと思います。大人たちは子どもたちを見守りながら自由活発にやらせてやりましょう。

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