見えてきたZIKUU Mini

コアサービスの開発が一段落ついて、運用しながらバグ修正や軽微な機能拡張を続けています。
ZIKUUフルシステムは、残すところPRE (Pivot Reasoning Engine)、Repository Explorer、Fact Build Tool、AI塾長の開発だけ。
この「だけ」がなかなかのボリュームですが、世間でいうところのAIエージェント的なものが動くHarnessが完成したので、もう先が見えてきたと言って良いと思っています。PREとRepository Explorerが完成すれば、開発は加速するでしょう。

ここまでくると、ZIKUU Miniの姿が見えてきます。


ZIKUU Miniの構成

ZIKUU MiniはZIKUUフルシステムの縮小版ではなく、ZIKUUでしか使われないアプリケーションと難解な管理アプリを省いた純粋版です。

ブログやDiscordなどの外部サービスからのデータ取得をする機能を除けば、すべてローカル環境で完結します。
組織内の文書や実験データ、ソフトウェアなどが主となる処理対象であれば、ネットが遮断された環境でも学習や研究が続けられる。

ZIKUU Miniは次のようなソフトウェアコンポーネントで構成されます。

カテゴリー名称機能
DiscordボットAI ChatBotAI塾長のフロントエンド
LLMLlama.cpp ServerLLMプロバイダー
Open WebUILLM Web UI
LLM BrokerLLMプロバイダーとアプリの中継
Vision Broker画像認識AIと画像生成AI
ストレージGiteaGitリポジトリ
MinIO画像データベース
Qdrantベクターデータベース
Nextcloudクラウドファイルシステム
PostgreSQLリレーショナルデータベース
コアサービスCPS (Context Pipeline Server) 文脈抽出サーバー
Fact Builder (Backend)Fact生成
Light Auth (Backend, UI)軽量な認証サービス
Nerve (Backend)イベント処理・パイプライン実行
Nerve Pipeline各種パイプライン
Pivot Service (Backend, UI)意味空間スライサー
Pivot Gateway意味空間と外界との中継
アプリケーションAdmin Dashboardシステム管理とアプリケーションランチャー
PRE (Pivot Reasoning Engine)意味空間・文脈・原本探索のサーバーとUI
AI塾長相当アプリコアサービスの上で動く対話アプリケーション

これらを簡単な操作で構成および複製できるようにするのが目標です。
すべてがDockerコンテナですから、その目標を達成するのは困難ではありません。

太字はZIKUUで開発したもの。

ZIKUUフルシステムの以下のアプリケーションは含まない。

  • Radio Mind – SDRを使ってFM放送を定期的に受信して文字起こしをする
  • Whisper Playground – YouTube動画の文字起こし
  • Vision Playground – 画像をAIで説明する
  • World Eye – Pivot Serviceを使って世界のニュースを収集・俯瞰する観測ツール
  • Earth Vision – Pivot Serviceを使ってJAXAの衛星情報を収集・俯瞰する観測ツール
  • Nerveダッシュボード – Nerveの管理UI、Admin Dashboardに主要機能を移行
  • Context Pipeline Viewer – CPSの管理UI、Admin Dashboardに主要機能を移行
  • Fact Build Tool – 文脈束からFactを生成する、既存FactをDimensionを変更して再構成する
  • Vibe Playground – 場の雰囲気=Vibeから画像を生成する
  • FruitChain – コミュニティ向け仮想通貨システム
  • KAGURA – AIエージェントオーケストレーション


AI塾長相当アプリについて

AI塾長相当アプリは、ZIKUU Miniの主要な利用者向け対話インターフェース。

内部では、次の情報源をアダプター経由で参照する。

  • Pivot
  • Context Bundle
  • Qdrant
  • 原本アーカイブ
  • MinIO
  • Nextcloud
  • Repository
  • SQL Database

Repository Explorerで開発した調査機能は、将来的にAI塾長相当アプリの内部調査エンジンとして利用する。

一般利用者には調査エンジン自体のUIを見せず、回答、根拠、参照資料、未確認事項などを提示する。

アプリの名称は設定可能とする。

例:

  • AI塾長
  • 司書
  • 案内人
  • 研究助手
  • アーカイブ係
  • 組織独自の名称

Admin Dashboard

Admin Dashboardには、以下の管理機能を集約する。

  • サービスの稼働状況
  • Nerveのイベントおよびキュー
  • CPSの処理状況
  • Fact Builderの処理状況
  • LLM Brokerの利用状況
  • Collectorの接続設定
  • CBES Recipeの有効化
  • Discord、Slack、Notion、Blogなどの接続設定
  • Nextcloud連携
  • ストレージ使用量
  • バックアップ状況
  • エラーおよび再処理
  • ユーザーと権限
  • AI塾長相当アプリの名称・人格・表示設定

通常運用ではサービス内部の詳細を隠し、問題が発生した場合のみ詳細情報へ降りられる構造とする。


追加開発候補

上記基本構成に加えて、

  • Slackアダプター
  • Notionアダプター
  • Nextcloudアダプター
  • 汎用ドキュメントアダプター
  • 汎用ブログアダプター
  • 汎用データベースアダプター

を開発予定。


ZIKUU Miniの用途

組織(個人、共同体、企業)の内部情報

  • Markdown
  • Text
  • PDF
  • 議事録
  • 技術資料
  • 活動記録
  • 写真
  • 共有ファイル

外部サービスとの連携

  • Discord
  • Slack
  • Notion
  • Blog
  • RSS
  • Nextcloud

利用者は、共同体が蓄積してきた記憶の中から情報を探索し、質問し、過去の議論や判断、資料、写真などを横断的に参照できる。


手の平に乗る文明バックアップ基盤

ZIKUUでは、何を起きたか、どう判断したか、どんな失敗をしたか、どう行動したか、をすべて文脈として記録し、思考や判断の補助をするAIシステムを作っています。これはAIシステムというよりは、知のプラットフォームと呼んだほうがいいかもしれません。全体に占めるAI処理は、それほど多くありません。

文明構成要件はこういうものです。

    • 判断
    • 技能
  • デジタル
    • 記録・知識
    • AI・推論
    • 通信
  • 生産
    • 手工具
    • 工作機械
    • 材料
  • インフラ
    • 電力
    • 移動
    • 田んぼ
    • 養鶏など

ZIKUU Miniはデジタルの部分をフルカバーし、他の活動を支えます。

ZIKUU Mini搭載機の候補はいくつかありますが、できるだけ安価に実現できるようにしたいと考えていて、今のところ、

AMD Ryzen AI 300シリーズ搭載でメモリは64GB、ストレージは1TB程度のミニPC

を予定しています。これくらいなら、手が届きやすいでしょう。

NerveやLLM Brokerなどの、スケールできる仕組みがあるので、ワークフロー処理能力やLLM推論能力を上げたければ、適切な機器を追加するだけでいいし、ストレージが重要ならば、SSDやNASを追加すればいい。(ZIKUUフルシステムはサーバー3台構成です)

現在のZIKUUは、水資源開発と発電には着手していないので、文明構成要件のすべてを満たすにはもう少し時間が必要です。
そういう状況なので「水車」という考えが出てくるわけです。

食については、他の塾スタッフが手掛けており、いずれ合流すれば要件を満たしていきます。

もし、ZIKUUが川の近くに拠点を持って、軽トラックなどのモビリティを手に入れると、この構成要件のすべてを満たした共同体になります。

私は、この文明構成要件を満たす度合いを文明密度と呼んでいます。

文明密度とは

  • 作れる
  • 直せる
  • 移動できる
  • 運べる
  • 教えられる
  • 伝えられる

の程度を表す言葉です。
ZIKUU Mini自体も同じ考え方で設計されたソフトウェア群です。

石油採掘、大規模インフラ、高度医療、軍事といった、小さな組織では実現できないことは対象から外し、完全孤立するのではなく、必要なものを選べる=自律をする、その達成度を測るのが文明密度です。


そもそも

ZIKUUを始めたのは、文明のバックアップ系を作るための研究開発が主目的でした。

文明構成要件を満たすには何が必要か。

それだけを考えながら私財をすべて投入し日々活動しています。

体験教室を開くのも、塾生を取るのも、文明のバックアップができる一員として未来の参加者になって欲しいからです。

これらから、文脈抽出、意味空間構築を行って、思考と判断を支援する。


ZIKUU Miniはどこにでも持っていける

太陽の恵み」にも書いたように、地球軌道上に置いて地上のZIKUU miniと連携するという使い方も視野に入る。自律性の高いシステムをコンパクトに作れるから。

ZIKUU Seedというもの」にも書いたように、道具と一緒に車に積んで出かければ、到着地がそのまま小さなZIKUUになる。スマホのテザリング、携帯型インターネットルーター、Starlinkなどを利用すれば、ZIKUUと同じ情報サービスを現地で提供できる。

もちろん自宅の一室や工房に置いて、そこを自分や仲間たちだけの研究室にすることもできる。
私が推奨している「週末科学者」の暮らしができるし、仲間が集まれば「自律性の高い村」を建設することだって可能になる。

工房、道具、機械を持つ物理空間と、アーカイブ・文脈・意味空間・AIが作り出す知識空間が共存するのがZIKUUという場です。

このZIKUU Miniは自律分散文明ネットワークを構築するための橋頭堡になるでしょう。

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