使えないものは資源ではない

モノづくり塾『ZIKUU』が出来る山梨県上野原市には大きな製材所がありません。建材は隣の大月市で手配するそうです。上野原市にお住まいの方ならば、市の大部分を山林が占めているのに、材木を製材する施設が無いことに驚くかもしれません。

上野原市にある森林組合にお邪魔して話を聞きましたが、林業もあまり盛んではない様子でした。

令和5年時点での市の人口は2万2千ほどで、市の推計では40年後に8割も人口が減るということです。

こんな話を上野原に行く度に市民の方とするのですが、危機感を持っている・持つ方は少ない印象です。人生80年100年と言われる時代なのだから、40年くらい先のことは考えられると思うのですが、年輩の方は「自分はその頃には生きていないから」と言うし、働き盛りの30代から40代の方は「それは困る」とは言うものなす術がないと言うしで、なかなか厄介な状況だと感じます。他人事ではないと思うのですが。

今でも扱い切れないほどのボリュームの山林は、人口が減れば膨大な不良資産になるでしょう。

「使えないものは資源ではない」

今でも林業に携わる人が少ない状況ですが、人口が減りますから、さらに林業に携わる人が減るかもしれません。

モノづくりに材料は不可欠です。何とかしなければなりません。需要によって牽引するにしても、隣の市から調達するのではあまり意味がありませんから、恐らくモノづくり側から木を伐って製材するというアクションを起こす必要があるのでしょう。

山に入って木を伐採するにしても、林道がなくて車両が入っていけないところが多く、楽に伐採できるところは大方伐採が済んでいるといいます。そうなると可搬型で組み立て式の製材機を作って山に持ち込むか、道作りから始めるかしないといけません。小型の製材機くらいなら作れますが、果たして効果があるのかどうか。

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