木工旋盤で挽いたお椀に漆塗り

ウレタンを塗って仕上げてしまうことが多いのですが、たまには漆の施工もします。
今日は、たまたま室温と湿度が漆を乾かせるのにちょうど良かった。

通常は、漆風呂と呼ばれる乾燥室に入れて漆を乾かします。
乾燥室といっても、漆が乾くには一定の温度と湿度が必要なので、乾いた部屋という意味ではありません。
だいたい湿度が65%〜70%、温度が25度くらいがいい。

今回やっているのは、漆初心者にすすめている摺り漆という方法です。

漆を刷毛でしっかり塗って滑らかな表面を作るとか、螺鈿や象嵌を施して装飾するといったことは、漆刷毛などの施工道具を揃えるのに少し敷居が高いので、あくまでも光沢と表面保護という実用を目的とした施工です。

生漆と薄め液(テレピン油)、漆を塗るための適当な刷毛やヘラ、漆を拭き取るための紙、刷毛を洗うための油(サラダ油でも良い)、水研ぎペーパーを用意します。

最初は捨て塗り。
私の場合は生漆を薄めずに木地に刷り込むように塗ってから余分な漆を拭き取り乾燥させ、乾いたら目の細かいサンドペーパーで全体を研ぎます。
これは、導管を漆で埋めて、その後の漆の吸い込みを防ぐのが一番の目的です。

その後は、数回、摺りをやります。
摺りは、生漆を少し薄めたものを塗り、紙で余分な漆を拭き取ること。
乾燥を挟んでそれを繰り返します。

繰り返す回数は、欲しい光沢が出るまで。
私の場合は、最低3回で木地の保護膜を作り、そこから2回から4回くらいやります。

摺りと摺りの間には、軽く細かい目のサンドペーパーで研ぎを入れることもあります。

使用するサンドペーパーは、水研ぎ用の#400〜#1500くらいまで、目の粗いものから始めて、後半は細かいものにします。

最後に仕上げの摺りを1回やって、軽く研いでからコンパウンドで磨いて終了。

食器のような小さなものなら、大掛かりな設備が不要で、高価な道具を揃えなくて良いので、初心者の人でも始めやすい。

ただし、カブれには注意です。
個人差はありますが、漆に弱い場合は、ほんの少し付着しただけでも真っ赤に腫れ上がります。
そういう私も、初めて漆を触ったときは、油断して、短パン半袖姿で作業し、漆のついた手袋があちこちに触れて、1ヶ月くらい全身が痒くて眠れない日々を過ごしました。

漆が付着したときは、水洗いは逆効果。
サラダ油などで漆を洗い流してから、石鹸と水で洗ってください。
いきなり水洗いすると後悔することになります。

「木工旋盤で挽いたお椀に漆塗り」への1件のフィードバック

コメントする