AI時代は、これまで違って、フェイク情報が大量に流布するようになりました。
以前も書きましたが、
情報を作るコスト<情報を検証するコスト
という構図が定着しました。
陰謀論や偽旗作戦といった言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、そういったものを冷徹に観測・分析する仕組みを持っていたほうが良いと思っています。
また、人間は「よくわからない状態」を維持するのが苦手です。どうしても、早急に白黒つけたいと思う。
しかし、答えを早く出すことと、真実を知ることは、相性が非常に悪い。
なので、もやもやした状態を維持したまま考えるという姿勢が大事です。
ということで、過去に偽旗作戦と言われた事件についていくつか例を出して外観してみます。
ムクデン事件(1931)

- 日本の関東軍が南満州鉄道を自ら爆破
- 中国側の犯行と主張して軍事行動へ
「小規模な被害 → 即座に軍事行動」が特徴。
グライヴィッツ事件(1939)

- ナチスがドイツのラジオ局を偽装攻撃
- ポーランド軍の仕業に見せかけた
その直後にポーランド侵攻。
かなり露骨な「開戦演出」。
トンキン湾事件(1964)

- 北ベトナムの攻撃とされた事案
- 後に「2回目の攻撃は実在しなかった可能性」が高いと判明
完全な偽装というより「誤認+政治利用」型。
純粋な偽旗よりこういうグレーが多い。
国会議事堂放火事件(1933)

- ナチスが共産主義者の犯行と断定
- 非常事態令 → 独裁体制へ
実行主体については今も議論があるが、事件を政治利用したことは確定。
ラヴィオン作戦(1954)

- イスラエル諜報がエジプトで爆破工作
- エジプトの不安定さを演出し、西側の信頼を下げる狙い
これは「第三者を巻き込むタイプ」。
グラディオ作戦(冷戦期)

- NATO系の秘密ネットワーク
- 一部でテロと関係が疑われた(完全確定ではない)
ここはかなりグレーだが、「国内世論操作のための暴力利用」という構造は典型。
9.11同時多発テロ

主張される陰謀論
- 米政府が自作自演
- ビルは爆破解体
現実
- 大量の調査(NISTなど)で公式説明あり
- 陰謀説を裏付ける確証はなし
真珠湾攻撃

主張
- アメリカは攻撃を知っていて放置
現実
- 情報は断片的にあったが確証不足
COVID-19パンデミック

主張
- 人為的に作られた/意図的に拡散された
現実
- 起源については議論あり(自然発生 vs 研究所流出)
見えてくる構図
- 小さな事件を作る or 拡大解釈する
- 犯人を即座に特定(敵にする)
- 感情を先に動かす(恐怖・怒り)
- 政策・軍事行動を一気に通す
ここで重要なのは、「完全な偽装」よりも「曖昧な事件の利用」の方が多いこと。
という点。
AIとSNSの時代
現代はさらに一段階進んでる。
- SNSで即拡散
- AI生成情報
- ソース追跡が困難
だから構造は同じでも、検証コストが跳ね上がってる。
構造の理解
本物の偽旗(A)
→ 小規模・限定的・即時利用
グレー(B)
→ 誤認・誇張・政治利用
陰謀論(C)
→ スケールが大きすぎる/証拠が飛躍
見分けるポイントは、関与人数と隠蔽期間が現実的か?
- 数十人規模 → 現実的(実例あり)
- 数万人規模 → ほぼ破綻
だが、違和感や疑念が継続する場合は、即断せずにもやもやしたまま考えると良い。
ZIKUUにはPivotサービスがある
Fact自体には価値観や評価を入れないのが運用上の決まりです。それやってしまうと構造が濁り、陰謀論拡散装置になりかねない。
やるとしたら、
事実Fact
- いつ
- どこで
- 誰が
- 何を
主張Fact
- 誰が
- 何を
- どう言った
この2つを重ねることによって、
1.主張の分類
- 偽旗
- 陰謀
- 誤認
を検出できるかもしれない。人間がやるとしんどいのでAIを使う。
2.主張の抽象化
例えば:
- 「政府がやった」
- 「裏で操っている」
これを共通パターンにまとめる。
3.パターンの抽出
- どの条件で陰謀論が増えるか
- どのタイプがどこで増えるか
これはPivot Reasoning Engine向き。
いずれPivot ServiceのPoCを兼ねて実験しようと思う。
まとめ
ZIKUUが取り組んでいるのは、小さな文明のセルを作り、生産と判断と暮らしを内側に引き込むことなので、外部の情報に惑わされることを避けたいのです。
そのためには、膨大な情報(ほとんどがゴミ)に埋もれない仕組みと姿勢が大事。
安直に「陰謀だ―」と叫ぶのも、「陰謀論だろ?」と批判するのも、どちらも間違い。
冒頭にも書いたように、早く答えを出すことと深く考えることは、なかなか両立しない。
早く答え(模範回答)を出すことばかりを練習する教育は、思考を深める方向には行かないの。
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