モノづくり塾「ZIKUU」だより – 令和8年9月
9月に入って涼しい日が増えてきました。
工房内での作業でも、汗だくになることもなくなり快適です。
鹿やキジといった動物たちも、なんとなく気持ち良さそうにしているように感じます。
今回はそんなZIKUUの9月を振り返ります。
モノづくり関連
木工旋盤の自主トレ
木工旋盤で球を削り出す練習を続けています。
専用治具などを使わずに、なるべくきれいな球を削る練習です。
精度を追求すれば難しいかもしれませんが、だいたい球になればいいのなら簡単です。
木工旋盤の扱いに慣れればできます。

レーザー彫刻機の改良
カンチレバー方式の弱点は、レーザーモジュールがついたY軸のバーがヘッド落ちしやすいこと。この問題を克服するために、バーの先端にキャスターをつけて、ヘッドが落ちないようにしつつ、バーの取り付けプレートを作り変えました。


ZIKUU Mini
ZIKUUの中核システムを載せた、ZIKUU以外の場所にも展開可能なシステムがZIKUU Miniです。
ローカルLLM、それを動かすHarness、便利なアプリ、基礎教科書、クラウドストレージなどを詰め込んだミニPCという形態です。ソースコードの規模は120万行ほど。
ZIKUU Miniは、共同体(や個人・企業・学校など)の記憶を保存して活用するためのプラットフォームとして設計した、掌に乗る文明のバックアップ装置です。
中身はZIKUUで使っているものと同じで、それを一般向けに仕立て直したものです。
- 個人
- 共同体
- 趣味のサークル
- 企業
- 学校
- 研究機関
などで使える100%ローカル運用可能なシステムです。
トークン課金、サブスク料金、ライセンス料金などを気にせずに使えます。

IT/AI関連
大きなところでは、Inference Brokerという、推論資源(サーバー+GPU+LLM)を管理して、推論リクエストを中継するサーバー、Repository Explorerという、ソフトウエアリポジトリを探索するソフトウェア、Pivot Reasoning Engineという、意味空間を探索するソフトウェアの開発が主な作業でした。
また、システムの規模が大きくなり、記憶に頼れなくなったので、APIを検索するアプリケーションも作りました。これがあると、ZIKUUのコアサービスへのアクセス方法を簡単に調べることができます。
余暇のプログラミング
ZIKUUのシステム開発の合間の息抜きとして始めたプロジェクトで、Linuxのデスクトップで動作するNeXTSTEPのようなファイルマネージャーを実装します。従来のコンピューター環境にはなかった新しい概念を入れて、ちょっと面白いソフトウェアになりそうです。
エッセイ
エッセイは週2回ペースで投稿しています。
エッセイだけ読むこともできます。
物理の壁に挑む勇者たち https://zikuu.space/monologue/6121/
ZIKUUでは、構造を見るということを強く薦めている。
世の中にはインテリぶった人が少なくない。
人は、あらゆることを知ることはできないし、知らないことの方が多い。
だから、自分は知らないことがたくさんある、という自覚の上で行動しなくてはならない。中高生向けZIKUU基礎教科書の第1巻はエネルギーを扱っているが、これはエネルギーを構造で見ることが社会生活をする上で非常に重要だと考えるからだ。
制約は希望 https://zikuu.space/monologue/6149/
ZIKUUがある山梨県では、会社の休廃業・解散の件数が過去10年で最大になった。
赤字倒産ではなく、黒字・資産超過のまま事業を諦めているケースが増えているとか。20代の超過転出数では、都留市や上野原市は全国の自治体の中で上位のランクにある。
私が、ZIKUU建屋の建設に入った頃は、上野原市の人口や約22,000人だったが、そこから3年も経っていない現在は約20,500人と1500人も減った。これは約7%の人口減少だ。
最近、山梨県をはじめ、地方の移住、二拠点生活、地域おこしなどの広告が増えている。
以前の投稿で文明密度という考え方を示した。
地方では、空き家の数、人口、生産年齢人口、高齢化、関係人口という言葉が出てくるけれど、私は文明密度こそが重要だと思っている。
ScaffoldとかHarnessとか、話題になっているけど「まあ、そうなるだろうな」と思っていた https://zikuu.space/monologue/6288/
その頃から、多くの自治体や企業で、AIコンサルタントみたいな業者が組織の文書を読ませるRAGシステムの構築を試みてほとんどが失敗したようだ。
失敗するだろうなと思っていた。
LLMの勉強を始めた頃、Transformerが話題になったので少し調べてみた。自分で小さなLLMを作ってみた。
「真実を知っているわけではなく、次に来そうなトークンを選んでいるだけ」。
今でもその性質は変わらない。
違和感を消すための回り道 https://zikuu.space/monologue/6294/
ZIKUUが教えようとしているものは、「Python講座」や「木工講座」ではなく、そのもっと手前にあるものづくりの思考様式なのだ。
「なんとなく変だ」を感じるには、優れたものをたくさん見るといいと思う。
優れたもの、美しいものの中に身を置くと、違和感を感じる力が育つはずだ。
人を育てるには、手取り足取りする必要はない。
優れた場を用意するだけでいい。
AIの自己改善ループへの警戒 https://zikuu.space/monologue/6819/
OpenAI・Anthropic・xAIがAI開発速度や自己改善ループへの警戒を強めている。
ほぼ時期を同じくして、ビル・ゲイツや国連から、同じ主旨の発言があった。以前執筆した論文「移民・難民政策のグローバル・ガバナンス化 ─ Global Compact for Safe, Orderly and Regular Migration(GCM)と大規模財団資金の構図から読み解く」(https://zikuu.space/monologue/4002/)でも触れているが、このような現象には、何らかの政治的な思惑が存在する場合がある。こういうときは、警戒と状況の観察が必要だと感じている。
ZIKUUの姿勢 https://zikuu.space/monologue/6306/
以前、「知性は姿勢だ」という主旨のことを書いたが、今回は、ZIKUUの姿勢を一旦整理してまとめておく。
整理するとこうなる。
- ZIKUUは収益を追求する機関ではなくコミュニティーである
- 月謝は生計を立てる手段ではない
- 補助金や助成金を受けない、自立性の高い機関である
- 豊かさは循環 – 恩恵を受けるだけでなく渡す
豊かさって何? https://zikuu.space/monologue/6308/
日本は生産力を失ったというより、生産を担う人口を失っている。
そして現場は、その減少を、
- 女性就業
- 高齢者就業
- 省人化
- 自動化
- 長時間あるいは高密度な労働
- 既存設備・社会資本の利用
で補ってきた。
だから、「日本人は生産性が低いから貧しくなった」という説明は粗すぎる。一方で、「生産年齢人口1人あたりでは優秀だから問題ない」も間違い。
実態に近いのは、
日本の生産現場は人口構造の悪化に対して相当に健闘した。
しかし、その健闘を社会保障負担と人口減少が食い潰している。という構図だと思う。
塾生にAI学習用PCの購入をすすめないという話 https://zikuu.space/monologue/6384/
モノづくりを主体とするCADやグラフィックスを扱える構成、プログラミングやITを学ぶ構成といった具合に、用途に応じた構成案は一応作ってある。
ZIKUUのフルシステムを開発する程度ならば、16GB VRAM搭載のGPUがあれば十分なので、仮にAIプログラミングをやるのが前提だとしても、それほど大きな出費にはならない筈だった。
過去には、AI学習をするためのPC構成をこのブログにも書いたが、自分でPCを組むことには依然として価値があるとは思っているものの、最近のメモリやSSDの高騰を考えると、軽々と「PC組めば」とは言えなくなってきた。
月例カレーの会
久しぶりに人が集まったので、カレーの会を開けました。

カレーの会はどなたでも参加できるコミュニティー交流会です。
勧誘や販売などは行いません。
お気軽に参加ください。
ご興味のある方は、Discordから連絡をお願いします。
ZIKUUは「作ってみよう、もっと知りたい」という姿勢を育てる場所です。
ZIKUUは、工房という物理空間でのモノづくり、ITやAIを使った論理空間の構築、教科書や実用書などの出版、社会、人間、テクノロジーの個人研究などを行う、ちょっと変わった場所です。
DIY体験教室ではありません。
自由を得るための技術を身につける
不確実性の中で決める力を身につける
そういうことをテーマに日々活動しています。
塾にいらっしゃる場合は、事前に連絡ください。
連絡はZIKUUについてのページの下の方に記載しているメールアドレスまで、あるいは、問い合わせフォームからお願いします。
毎日を面白く!